ホスファチジルセリンにはどのような効果があるのかまとめてみました。

脳の機能を改善する効果

ホスファチジルセリンは、脳の細胞膜を構成しているリン脂質の一種ですが、食物由来のホスファチジルセリンは一度分解されてから脳内に入り、再合成されることで脳に栄養を供給します。

再合成されたホスファチジルセリンには、血管壁や赤血球の細胞膜を柔らかくする働きが確認されていて、血流を改善する効果があります。

この働きによって、脳細胞の新陳代謝が促進されます。

ホスファチジルセリンは水になじみやすいという特性があるため、細胞の内外両方に作用し、脳細胞の働きをサポートしてくれます。

また、ホスファチジルセリンは脳細胞の膜を柔らかくすることから、脳細胞同士の情報伝達を高めるのではないかと言われています。

脳細胞の発信部と受信部の接合部をシナプスといい、この周りにホスファチジルセリンがたくさんあると、より多くの情報を伝達できるようになるため、頭の回転が速くなるといわれています。

さらに、ホスファチジルセリンは、脂質が酸化するのを抑えてくれます。

酸化とは、体内に取り込まれた酸素が毒性のある活性酸素に変化し、細胞を傷つけることです。

ホスファチジルセリンは脂質の酸化を抑制する効果があるため、脳の神経細胞の酸化を防ぐ働きがあると考えられています。

これらのことから、ホスファチジルセリンは脳の機能を維持、向上する効果もあるといえます。

また脳の働きが高まりすぎている状態の時は、それを鎮める方向に作用するという報告もあります。

脳を適度にコントロールしてくれるんですね。

アルツハイマー病の予防・改善効果

ホスファチジルセリンは、アルツハイマー病に対しても有効性が示唆されています。

アルツハイマー病の患者にホスファチジルセリンを1日200~300mg、60日~6ヵ月間摂取させた所、認識力や記憶力、注意力、集中力、学習力、異常行動などに改善が見られたと報告されています。

また、アメリカで実施された臨床試験においては、1日300mgのホスファチジルセリンを加齢性記憶障害の患者149名に12週間投与した結果、神経学的指標における改善が認められたというレポートがあります。

アルツハイマー病の原因はいまだ不明ですが、一般的には脳の血流を良くすることで、改善が期待できるのではないかと考えられています。

アルツハイマー病では、脳のたんぱく質が変性・萎縮することが知られており、牛の脳から抽出したホスファチジルセリンを毎日飲料水に混ぜて投与した老齢ラットは、海馬の細胞の密度が若齢ラットに近いレベルだったことが確認されています。

ホスファチジルセリンは、細胞膜を柔らかくし、血流を改善する働きがあるだけでなく、シナプスの働きもサポートするので、アルツハイマー病に効果的だと言われています。

ストレスを軽減する効果

ホスファチジルセリンは、ストレスを軽減する効果も期待されています。

神経症の男性48人を対象に、ホスファチジルセリン1日300mgを1ヵ月摂取させたグループと、プラセボ(偽薬)を摂取させたグループに分け、気分および心拍数に及ぼす影響を調べた実験があります。

結果は、ホスファチジルセリンを摂取したグループの方がストレスの度合いが少ないことが確認されています。

これはホスファチジルセリンによって、気持ちを落ち着かせるための神経伝達物質であるセロトニンの分泌が促進されたからであろうと推測されています。

このように、ホスファチジルセリンは子供の多動性障害(ADHD)を改善するだけでなく、大人にも有効であることが分かっています。